熱旋風式シュリンク装置 TORNADO トルネード

私たちの生活の身の回りに溢れるシュリンク包装。
でもその技術については意外と知られていないことがたくさん。
暮らしに役立つシュリンク包装を当社の専門スタッフが徹底解説!

STUDY01

シュリンク包装とは

シュリンクは英語でshrink(縮む)という意味です。
シュリンク包装とは、熱を加えることで収縮するフィルムの性質を利用し、容器にそってぴったり収縮させる包装のことです。清涼飲料などのPETボトルや調味料などの食品、化粧品、医薬品、生活用品など広い分野で採用されています。

シュリンク
STUDY02

シュリンク包装のメリット

保護

シュリンク包装は容器全体を覆うことができるため、商品の保護・異物混入防止の効果があります。また、開封前ということがわかり、開封防止に役立ちます。

シュリンク包装 保護・異物混入防止

意匠性

また、表示面積を大きくとれることから商品PRに適し、注意書きの必要な薬品でも重宝されています。デザイン面が大きいため、製品の顔として表現の幅が広がります。

シュリンク包装 意匠性

集積

複数の商品を1つにする際、商品によってはシュリンクで簡単に行うことができます。箱やテープなどの資材がいらず、シールなどの手間も軽減します。

シュリンク包装 集積

環境対策

また、シュリンク包装はラベルをはがしやすいため、分別のしやすさもメリットの1つです。
容器に直接印字をしたびんやアルミに比べ、リサイクルが容易という点でも環境保護に貢献する包装として注目を集めています。

シュリンク包装 環境対策

多品種小ロット生産

容器に直接印字をしないので、急なパッケージの表示変更にも印刷済の容器を無駄にせず対応することが可能です。また、季節ごと、イベント用など、フレキシブルな商品展開にも適した包装です。

シュリンク包装 多品種小ロット生産
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シュリンク包装機の種類

シュリンク包装機とは商品に装着したシュリンクフィルムを収縮させる機械です。

シュリンクトンネル

代表的な方式は蒸気式と熱風式があります。
一般的に蒸気式は仕上がりが良好な反面、設備が大掛かりで収縮後の水滴除去も課題になります。熱風式は、仕上がりに問題があるとされていましたが、近年、熱旋風式シュリンク装置などが新たな市場を形成しています。

熱旋風式 蒸気式 熱風式
設備 ◎省スペース △大掛かり ◎多く取らない
仕上がり ◎キレイ ◎キレイ △ほどほど
シュリンクトンネル

工業用ドライヤー(ヒートガン)

シュリンク包装は工業用ドライヤーでも行えます。主にシュリンク包装の数量が少ない場合や、シュリンクした商品の手直しなどで使われます。

工業用ドライヤー
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シュリンク包装の種類

容器の一部を覆うもの

ラベルシュリンク

ラベルの表示機能や商品の訴求、容器の保護。

ラベルシュリンク

食品・化粧品・医薬品・生活用品などに。
瓶・缶・PET容器。

キャップシュリンク

容器のキャップ部分を覆う。容器の開封や改ざん防止、品質と安全性の保護。

キャップシュリンク

食品・化粧品・医薬品・生活用品などに。
瓶・PET容器。

Rシール

容器の底面以外を覆う。商品の保護やラベルの表示機能や商品の訴求。

Rシール

食品・化粧品・医薬品・生活用品などに。
チューブ・ポンプ付きボトルや、キャップ部分が複雑な形状な容器。

容器全体を覆うもの

L型シュリンク

化粧品・生活用品・食品など広範囲の商品に使用。改ざん防止、防塵、商品の保護。

L型シュリンク

箱、トリガーボトル、ポンプボトル、チューブの包装などに用いられる。

ピローシュリンク

デザイン入りも可能。改ざん防止、防塵、商品の保護。

ピローシュリンク

カップ食品・紙パックの酒・エアゾールなどの包装に用いられる。

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シュリンクラベル装着機(シュリンクラベラー)

ラベルシュリンクやキャップシュリンクの工程を自動で行う場合、シュリンクラベル装着機を使用します。さまざまな形状の容器の胴部などに、印刷した筒状の熱収縮性フィルムを自動で被せる装置です。代表的な方式は直線式とロータリー式があります。

直線式

低中速での生産(~約200 bpm)向きで、ロータリー式に比べ省スペースです。生産品種ごとに交換する部品点数が少ないため、多品種少量生産に適しています。

直線式

ロータリー式

フィルムの供給部分がロータリー(回転式)になっており複数あるため、高速生産可能(~約1000bpm)に向いています。装置は大型なものが多い。

ロータリー式
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L型三方包装機とピロー三方包装機

L型シュリンクやピローシュリンクのように、容器全体を包装するための包装機は、主にL型三方包装機とピロー三方包装機があります。

L型三方包装機

2つ折りにされた原反ロールフィルム(半折フィルム)を用いて、フィルムの折り目以外の三面をシール(シール線はコの字)する包装機。手動・半自動・全自動があり、中低速機ではあるが包装寸法を容易に変えられるため、様々な被包装物に対応できる包装形態です。多品種小ロット向き。

L型三方包装機

ピロー型三方包装機

原反ロールフィルム(フラット原反)を用いて、枕(ピロー)の縫い目のように、H型(三面)にフィルムをシールする包装機です。自動で、一定の大きさのものを高速で包装できます。単一品種大量生産向き。
正ピロー、逆ピロー、縦ピロー、横ピロー等があります。

ピロー型三方包装機
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シュリンクフィルムについて

シュリンクフィルムは熱を加えることにより縮む性質を持っています。素材によってそれぞれの特徴があります。

スリーブフィルム オーバーラップフィルム
PET OPS ハイブリッド 環境配慮タイプ 塩ビ PP PE 積層タイプ
最もポピュラーな素材
物理的強度への耐性に優れている
また使用インクが耐薬品性にも優れており、医薬品・化粧品分野での採用が多い
PETと比較して低コスト
日本国内ではポピュラーな素材
ただし、使用インクが薬品や油にやや弱い
OPSをPET薄膜でサンドイッチした多層構造
PETの強度・耐薬品性とOPSの低コスト、良いとこどり
『プラビオ®』のようなサトウキビ原料を一部配合した環境配慮型フィルムの開発も昨今おこなわれている 日本国内では20年程前まで主流であった材質
環境問題の面で激減
カップ麺容器の保護によく使用される
シール時間が短く済むため高速生産に向く
PPと比較して柔らかいため、異型容器・箱などに利用される
PPと比べるとシール時間は長く必要
PEとPPの多層構造
機能性を持たせるために組み合わせている
万能タイプ
表示名
PET PS PVC PP(ポリプロピレン) PE(ポリエチレン)
スリーブフィルム
PET
最もポピュラーな素材
物理的強度への耐性に優れている
また使用インクが耐薬品性にも優れており、医薬品・化粧品分野での採用が多い 表示名:PET
OPS
PETと比較して低コスト
日本国内ではポピュラーな素材
ただし、使用インクが薬品や油にやや弱い 表示名:PS
ハイブリッド
OPSをPET薄膜でサンドイッチした多層構造
PETの強度・耐薬品性とOPSの低コスト、良いとこどり 表示名:ー
環境配慮タイプ
『プラビオ®』のようなサトウキビ原料を一部配合した環境配慮型フィルムの開発も昨今おこなわれている 表示名:ー
塩ビ
日本国内では20年程前まで主流であった材質
環境問題の面で激減 表示名:PVC
オーバーラップフィルム
PP
カップ麺容器の保護によく使用される
シール時間が短く済むため高速生産に向く 表示名:PP(ポリプロピレン)
PE
PPと比較して柔らかいため、異型容器・箱などに利用される
PPと比べるとシール時間は長く必要 表示名:PE(ポリエチレン)
積層タイプ
PEとPPの多層構造
機能性を持たせるために組み合わせている
万能タイプ 表示名:ー

※各メーカー商品によって表示名が異なる場合、“ ー ”としている。

従来はほとんどが大量品向きのグラビア印刷で生産されていましたが、近年はデジタル印刷機で生産することにより、少量生産が可能になりました。
「連番」や「ユニーク(個別)コード」など、1枚ずつ異なる写真やデザインを挿入した印刷もでき、強い訴求力を持つ表示も可能となりました。

デジタル印刷

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